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三菱地所設計株式会社 武田様へのインタビュー

オフィス・共同住宅・店舗の複合建物「二番町ガーデン」では、高さ約25mの外壁面(北西面)に対し、竣工時点で約80%以上の緑被率を確保する壁面緑化が実践されました。そのために、施工方法の確立や植物プランの計画、生産方法、施工方法、維持メンテナンスの技術などがトータル的に活用されています。

東邦レオ・ユニット式壁面緑化システム

東邦レオ・ユニット式壁面緑化システム イメージ

二番町ガーデンの壁面緑化は、2階から6階までの各階北西面に対し、高さ約2mの壁面緑化が帯状に行われています。上下ともに窓があるため、緑化は、2mの範囲内で完結させる必要がありました。そこで、植物を誘引・巻付けできるステンレスメッシュとプランターを一体化し、生育範囲を制限させるユニット型のシステム(サイズ:0.9m×0.9m)が導入されています。

生育基盤となる土壌には、軽量で通気性・保水性のバランスに優れる人工土壌を利用、植物は、「管理の容易性」や「緑被の容易性」「壁面緑化の実績」などから、ツル性植物で常緑性のヘデラカナリエンシス(ウコギ科キヅタ属)が選択されています。葉の光沢があり景観的にも優れ、病害の被害を受けにくく、乾燥にも比較的強い植物であることも選定のポイントになっています。

竣工時に緑被率を確保

緑被完成度を高めるため、施工以前より壁面緑化のユニットにヘデラカナリエンシスが植え付けられ、生育養生が実施されました。初期段階の緑被率の確保という側面だけでなく、垂直面という厳しい環境下での適応性を高めることにも繋がっています。

現場養生状況 壁面緑化ユニットの取り付け状況

自動散水設備による管理省力化

壁面緑化では、雨水などの水供給がほとんど期待できないため、灌水設備の確保が必須条件です。二番町ガーデンの壁面緑化では、自動散水タイマーを設置し、季節・気候・土壌基盤の状況を確認しながら、散水設定を修正・変更できるようになっています。各植栽ユニットにムラなく給水を行うため、散水には圧力調整機能を有し、先端と末端でムラなく吐出量を一定にできる点滴式灌水ホース(ラムホース)が利用されています。タイマー機器の故障など、断水による枯損を防ぐために警報機能を設け、異常の際には中央防災室に警報が発信される仕組みも組み込まれています。

変化に柔軟に対応する維持管理体制

壁面空間は、予想以上に変化が激しいところです。季節が同じでも、年によって湿度や温度差、風などの気候条件が異なるため、マニュアルによる決まった管理ではなく、月に一度の定期点検のもと植物の状態を確認しながらの適切なタイミングで管理内容が決められています。主な維持管理項目は、「定期巡回」「剪定・誘引作業」「殺虫・殺菌作業」「施肥」「除草」「自動灌水設備点検」の6項目。現場は高所であり、且つ隣地との境界に近いため、維持管理は緑化面の内側に設けられた管理通路から行なわれています。壁面緑化はユニット式になっており、病害が発生した際の広がりを防止する効果があります。またユニットが取り外しできるため、万が一問題が発生しても個別の対処が可能となっています。

壁面緑化管理者より一言

条件の厳しい壁面緑化の管理作業では、緊急を要することも少なくありません。壁面緑化は、建築物の印象を決める大きな要素となるため、植物状態の変化に機敏に対応する必要があります。そのためには、壁面緑化の「維持力(建築構造と運営体制といった管理の容易性)」が大変重要であると感じています。二番町ガーデンでは、維持管理の容易性が高く、運営体制に携わる方々の緑への熱い思いも感じています。壁面緑化の分野では、計画段階から施工、維持管理を想定した技術が求められます。今後、壁面の緑がどんな様相を見せてくれるか楽しみです。手探りの段階ですが、より長く、キレイな壁面を維持するために努力していきたいと考えています。

本件に関するお問合せは東邦レオまで お願い致します

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