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壁面緑化 Q&A

植物

Q3-01
壁面緑化に適した樹種を教えてください。
A3-01

基本的につる植物が最も適していると判断できます。つる植物は大きく分けて、巻つる型植物と吸着型植物に分かれます。代表的な巻つる型植物としては、フジやムベなどがあります。代表的な吸着型植物としては、ナツヅタ、ヘデラ類などがあります。

 
樹種名 つる特性 常緑・落葉 光の条件 耐寒性 耐暑性
トケイソウ 巻つる植物 落葉 やや弱
カロライナジャスミン 巻つる植物 常緑 中庸
ビグノニア・カプレオラータ 巻つる植物 常緑 やや陽
ムベ 巻つる植物 常緑 中庸
ノウゼンカズラ 巻つる植物 落葉
ヘデラ・カナリエンシス 吸着登攀下垂型 常緑 中庸 やや強
ヘデラ・ヘリックス類 吸着登攀下垂型 常緑 中庸 やや強
テイカカズラ 巻つる植物 常緑 中庸 やや強
ニシキテイカ 巻つる植物 常緑 中庸 やや強
キウイ類 巻つる植物 落葉 やや強
サネカズラ(ビナンカズラ) 巻つる植物 常緑・半常緑 やや強
ツキヌキニンドウ 巻つる植物 半常緑 やや強
モッコウバラ 巻つる植物 常緑・半常緑
キヅタ 吸着型登攀型 常緑 中庸
クレマチス類 巻つる植物 落葉
スイカズラ 巻つる植物 半常緑
ツタ(ナツヅタ) 吸着登攀型 落葉
ツルアジサイ 吸着登攀型 落葉 やや陽 やや弱
ツルウメモドキ 巻つる植物 落葉
ツルバラ類 巻つる植物 落葉
テリハノイバラ 巻つる植物 落葉
ナツユキカズラ 巻つる植物 落葉
フジ類 巻つる植物 落葉
アメリカツルマサキ類 匍匐下垂型 常緑 中庸

強い

やや強
アケビ類 巻つる植物 落葉 強い

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Q3-02
壁面緑化に適する新しい樹種はありますか?
A3-02

残念ながら弊社の知る限りでは、新種が発表されたことは認知していません。屋上緑化に近年良く用いられているセダムを壁面緑化に用いたり、スナゴケという乾燥に強いコケ類を壁面緑化に利用した事例はありますが、まだまだ問題があるように思います。基本的にはつる植物を用いるのが望ましいと言えます。

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Q3-03
虫などの発生による影響はどうですか?
A3-03

樹種によってかなりの相違はあるのですが、全く発生しないということは考えられません。まず、病虫害等が発生しやすい樹種の使用をできる限り避けるようにしてください。病虫害は(例えそれによって枯れることが無い場合でも)植物の健全な美しさを損ない、人に不快感を与えてしまう可能性があります。よって、病虫害を未然に防ぐための日常管理が非常に大切です。
壁面緑化を行うことで何も無い壁に比べ、昆虫や鳥類は増えると思います。それを嫌がる方もいますが、昆虫や鳥類が集まる自然な環境づくりは、都市緑化において大切にしたいポイントです。

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Q3-04
排気ガスの影響はどうですか?
A3-04

都市部における壁面緑化を考える上で、排ガスに強い樹種を用いることは必要です。排ガスに弱いものを用いると、衰退や病虫害の発生も起きやすく、メンテナンス面で苦労することになるでしょう。排ガスに強い樹種については、実際に設置を検討している場所から近い幹線道路などに面した道路沿いに使用されている植物を観察するとよいでしょう。過酷な環境において健全に生育している樹種は、周辺環境に対応できる強い樹種と想定できます。排ガスに強い樹種には、へデラ・ムベ・テイカカズラ・ノウゼンカズラ・ナツヅタ・フジなどが事例として該当します。

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Q3-05
施肥はどうするのですか?
A3-05

自動灌水設備に液肥注入器を取り付けて、定期的に液肥を与える方法があります。一般的には、粒状の固形肥料を剪定などのメンテナンス時に投与する事が多いようです。施肥の時期は、環境条件や樹種に合わせてタイミングを見計らい、年間2〜3回ほど行います。

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Q3-06
落葉が近隣に散らばることが心配です。
A3-06

落葉植物を用いると冬前に一斉に散り、かなりの量の落葉が発生します。常緑植物を用いれば、その量は少なくなりますので、心配は軽減されると思います。しかし常緑植物でも冬前には若干葉を落しますし、春から夏にかけて新しい葉が更新してゆく際に古い葉が落ちることは起こります。

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Q3-07
敷地境界外に茎・葉が伸長した場合のメンテナンスは?
A3-07

近隣とのトラブル回避や美観を保つために剪定が必要と考えられます。場所によっては高所作業車やゴンドラを用いて剪定作業を行う必要性も出てきます。樹木のように横に枝を張り出したりすることは無いので、設置した状態からそれほど多く前面に張り出すことはあまり考えられません。しかし境界線ぎりぎりに設置するのは、あまり望ましいとは言えないでしょう。

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Q3-08
メンテナンスさえ良ければ半永久的ですか?
A3-08

メンテナンスのみで半永久的に植物の状態を保持することはできないと考えております。メンテナンスにおいては、部分的に植物を更新させてゆくことで長期的維持が可能であると考えます。

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Q3-09
メンテナンス方法と頻度について教えてください。
A3-09

壁面緑化工法によっても異なりますが、植物の剪定・誘引、殺虫・消毒、施肥、潅水点検などの項目をそれぞれ年2回〜4回行うことが多いです。詳しくは、早わかり設計ガイド「メンテナンス確保」をご覧ください。

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Q3-10
植物は何年くらいもちますか?
A3-10

壁面緑化工法によっても異なりますが、古い事例で8〜10年前に設置した壁面緑化システムがあります。生育環境や個体差もあるため、一部の植え替えは行っていますが、植物の生育は良好です。(さいたまスーパーアリーナなど)

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Q3-11
火災が発生したときに植物伝いに延焼するのではないですか?
A3-11

建築基準法で定められた耐火基準を満たしている建築物であれば、植栽によって延焼の影響か強くでることはありません。一般的に植物の葉と土壌には、水分が含まれているため、有炎延焼が起きにくく、火災の延焼を抑止するといわれています。植物の含水率は落葉樹よりは、常緑樹が高く、また潅水設備を整え、土壌の水管理を定期的に行うことがポイントです。

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Q3-12
植物のメンテナンスコストはどのくらいかかりますか?
A3-12

壁面緑化工法によっても異なりますが、年間2,000円/m2〜6,000円/m2の費用が掛かります。詳しくは、早わかり設計ガイド「メンテナンス確保」をご覧ください。

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Q3-13
苗木を植えるのに適した時期などありますか?
A3-13

地上部やプランターへの植え付けは、2月、3月の春先、植物の芽が動き出す前が最も適期ですが、盛夏をさけて、通年の植え付けができます。ユニットタイプやモジュールタイプなど植物の植え付け養生が必要なシステムは、盛夏をさけて2〜3ヶ月の養生期間をいただいた後に設置します。

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Q3-14
1mあたり、何苗植えたらよいでしょうか?
A3-14

使用するツル植物の種類にもよりますが、将来型壁面緑化で地植えやプランターへ植栽する場合、50cm〜100cm間隔で一苗が一般的です。ユニットタイプやモジュールSタイプなど、早期緑化型壁面緑化では、この限りではありません。より密度をあげて植栽します。

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Q3-15
モジュール・ユニット・プランター植えの場合、土の入れ替え、植物の植え替えが何年後かに必要になりますか?
A3-15

将来的には必要になります。土壌空間が制限されているので、根の密度が高まり、衰退するでしょう。ただ10年程度では症状は見られません。

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